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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


暑中お見舞い申し上げます。連日三十度をこす猛暑が 続いておりますがおかげ様で書研は第三十三回書写書道 展覧会の審査会が七月十五日には迎えることができます。 夏バテ対策法もあみだし、至極元気に頑張っています。
*「女」第一学年で習います。
「くノ一」の順ですが、女忍者の隠語と重なり、指導の 段階で、字形を強調しすぎ「ノは横線にキチントつけな ければいけません」となると一年生ではなかなか厄介で はないのでしょうか。キチントつけるためには、横画の 「一」を先に書いておけば安心して「ノ」を書くことが 出来ます。「女」を部分とする「安」についても同様で、 まず「うかんむり」を書き、次に横画の「一」を書いて おけば安心して「くノ」となります。
具体例①  
私がこんな場面に出会ったことがあるので、それも尤 もなことだと考えた次第であります。それはデパートで 店員さんに進物ののし紙に「安藤」と書くことを依頼し ますと目の前で筆を持ち「安」の「うかんむり」までは よかったが、横画の「一」となり一年生の時「くノ一」 と習ったであろうが、一くノとキチンと書く現実的処理 であると了解しました。
具体例②  
中国では「女」の筆順は『小字氾』に「三筆」と記さ れ、「安」も当然「うかんむり」の次には「くノ一」と 想像されます。二〇〇六年NHKで放映され、その中で まさに「安」を書いている時、一瞬「一くノ」と書いて いるのを認めました。
○筆順のまとめ、
一、筆書き時代 に構成され文字を形作る便宜として組み立てられました。
二、右手書写が基本。
三、児童期は、文字構成を習慣化 させ、成人後は行書や草書も交じるので学習時期の筆順 とはならなくなります。
四、現在の筆順は楷書の為とな ります。
五、書体の変遷での筆順は、縦長の篆書、平ら な隷書と変化せざる得ませんでした。
六、特殊な筆順と して写経、仏典を美しく短時間に処理するために古来特 殊な筆順が見受けられます。
終わりとなりますが、酷暑 の折、くれぐれお体を御自愛下さい。

条幅作品の解説
阿 保 幽 谷

竹 聲 松 影
○書体 ― 行書
○読み方 ― 竹 聲 松 影
○意味 ― 風が吹いて竹が響き、月が照らす松の影という春の様子
○作者 ― 許 斐 架 染 梨
○全体の書き方  
●文字の長短 ― 「聲」と「影」を長く、「竹」と「松」を四角形に。  
●中心 ― そろえる。   
●署名 ― 小さく真中の上から書く。  
●墨つぎ ― 「竹」と「松」の二カ所  
●文字の書き方   
・四つとも、文字は大体同じ余白をとる。   
・文字の大きさ ― 「竹」と「松」を同じにし、「聲」と「影」をたて長にする。   
・署名は小さく。    
・文字ははなれているが、つながるように。  
●線の書き方   
・線と線はつながるようにして放つ。線がつながると、文字と文字とがつながり、作品全体がつながっていく。   
・遠近感 ― 墨つぎが大切である。墨の濃いところは近くに見え、遠いところはかすれて見える。書道は墨一色で遠近感を出す。これが大切である。   
・署名 ― 署名も作品全体として見ていくから、「影」が書き終わっても、そのままの筆で署名もかいていく。次第にかすれていくが、これが大切になってくる。   
・筆 ― 筆は、半紙を書くときの筆でも大筆を用いる。半分以上おりていないと書けない。   
・墨の濃さ ― 濃墨を用い、濃い墨の方がかすれがよく出る。   
・木文と署名との関係 ― 一行目の本文は右上となり、署名は印を押しても一行目より上で終わるように工夫することが大切である。二行目に印を押したとき、一行目より下にくると、署名の位置が悪い。そのように空間がとれない時は、用紙の半分の上から書けば署名も印も押せる。印を押し間違えるとせっかくの作品が台無しになるので気をつけたい。
 


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