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 先生からの言葉(巻頭言



明治以後の教科書にみる  「いろは」図鑑
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


 今月より「いろは」について勉強していきます。「いろは」 という言葉から昔の国語教科書をイメージされる人もおられ ると思います。又書作品としての「いろは」についても紹介 して行きましょう。
 夏目漱石に、「手習いや いろはにほへと 梅の花」という 俳句があります。はじめは「いろはにほへと」の所が「天地玄 黄」だったのです。それを漱石が「いろはにほへと」に直し たのはひらがなの思い入れを感じさせます。他にも「竹馬や  いろはにほへと ちりぢりに(久保田万太郎)」という句が あり、このように「いろは」が俳句の中に取り入れられると 言葉にやわらかなふくらみや温もりが生まれてくるようです。 私は書研の皆さんに福澤諭吉(図版㋑)から井上桂園(図版 ㋦)までの「いろは」を紹介します。そして現在でも中学校 一年の書写教科書の「いろは」はそれを源流としているよう です。
 ㋑これがその福澤諭吉による「啓蒙手習いの文」です。木 版で刷られ、福澤諭吉の教科書で実際に「いろは」を書いて いるのは、内田晉齊で千葉県茂原出身、(書研の創設者細矢 香巻先生と同郷)福澤諭吉の弟子で文部省に勤め国語の教科 書を作り、仮名の近代化をしようとする意図を十分に汲み取 ることができます。諭吉は晉齊に「洒落気のない文字を書い てほしい」と手紙で頼み、江戸時代のお家流のような人に見 せる文字から、誰にでも判り易い、子供達にもやさしく書き やすい習いやすい文字が欲しかったのだと思います。それは 書研の基本に通じる正しく美しく速く書く手本と同じことが いえると思います。又、基本がしっかり出来ているとどんな にむずかしい仮名文字も読めるはずです。
書道は本当に奥が 深いものです。これから(図版㋦)まで学んで行きましょう。

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